斎藤道三の遺書 末子(名前不詳)宛て

まむしの道三といわれ、一介の油売りから、美濃一国の
大名となった斎藤道三も、終末は我が子に殺され数奇な
一生を終わった。ちなみに信長の妻濃姫は道三の娘である。

 
       ∨ あ を そ 候 口 の 態 
   弘   か る ゐ れ  °へ 存 ∧ 
   治   つ べ て も 一 出 分 わ 
   二   ゐ か 仏 夢 子 勢 に ざ 
 児 年   ∧ ら 果  `出 眼 任 ∨ 
 ∧ 四   終 ず を 斎 家 前 す と 
 ち 月   ∨  °得 藤  `な べ 送 
 ご 十   の げ ん 山 九 り き り 
 ∨ 九   す に ぞ 城 族  °の 申 
 ま 日   み や 嬉  `生 其 条 し 
 い     か 捨 し 至 天 の  `意 
 る     な て き り と 方 譲 趣 
       り だ 哉 て い の 状 は 
       け に  °法 え 事 を  `
       ん 此 既 花 り  `信 美 
        °の に 妙  °堅 長 濃 
         世 明 体 此 約 に 国 
         の 日 の の の 対 の 
         ほ 一 内 如 如 し 大 
         か 戦  `く く 渡 桑 
         は に 生 調  `し に 
     斎   な 及 老 え 京 遣 於 
     藤   き び 病 候 の は て 
     山   も  `死 も 妙 し  `
     城   の 五 の 一 覚  `終 
   道 入   を 体 苦 筆 寺 其 に 
   三      `不 を 泪 へ の は 
         い 具 ば ば 登 筈  `
         ず の  `か ら の 織 
         く 成 修 り れ 為 田 
         ∧ 仏 羅  °尤 に 上 
         何 疑 場 よ も  `総 
         処 い に し に 下 介 
                       


 

   大意

 わざわざこの手紙を書いたのは、美濃国の大桑は信長の思い通りに任せるしかないので、譲り状を渡した。よってただちに援軍をよこしてくれる手筈になっている。
 その方はかねて約束どおり、京都妙覚寺にのぼるように。一人の子供が出家すると、九族(家族、親戚)が救われるという言い伝えがある。
 この様に手紙を書いている間にも涙が流れて止まらない。それも夢。斎藤山城は法花妙体の中にあって、この世の苦しみを捨て修羅場にあっても、仏の果報を得る事と嬉しく思っている。明日の戦で五体不具、戦死
は間違いないが、この世に住むしか方法が無いに、何処が最後の住家だあろうか。

 児(ちご)とは、道三の子供で、主家した「日暁」か「日覚」のどちらか。この手紙を書いた翌日、長良川畔で我が子義龍(よしたつ)と戦い、信長の救援を待たず敗死した。
 義龍も後年信長に討たれ、斎藤家は滅亡した。


戻る