村の鍛冶屋

尋常小学校唱歌(4)
大正元年
1 暫時もやまずに 槌うつ響
  飛び散る火の花、はしる湯玉
  鞴の風さえ 息をも継がず、
  仕事に精出す 村の鍛冶屋


2 あるじは名高き いっこく老爺、
  早起・早寝の、病知らず。
  鉄より堅しと ほこれる腕に
  勝りて堅きは、彼がこころ。


3 刀はうたねど、大鎌・小鎌
  馬鍬に作鍬、鋤よ、鉈よ。
  平和のうち物 休まずうちて、
  日毎に戦う、懶惰の敵と


4 かせぐにおいつく 貧乏なくて、
  名物鍛冶屋は 日日に繁昌
  あたりに類なき 仕事のほまれ、
  槌うつ響に まして高し
のちの「初等科音楽(2)(昭和17年)に収録の際、国民学校の初等科では、文語体でなく口語体に修正した。