早 春 賦


新作唱歌(3)
大正2年
1 春は名のみの 風の寒さや
  谷の鶯 歌は思えど
  時にあらずと 声も立てず
  時にあらずと 声も立てず


2 氷解け去り 葦は角(つの)ぐむ
  さては時ぞと 思うあやにく
  今日もきのうも 雪の空
  今日もきのうも 雪の空


3 春と聞かねば 知らでありしを
  聞けば急かるる 胸の思いを
  いかにせよとの この頃か
  いかにせよとの この頃か